西村賢太『苦役列車』読了。 私小説とはこういうものかと。小池重明に通じるものがあった。 文体は独特だったが読みやすかった。

宮本延春『オール1の落ちこぼれ、教師になる』読了。 著者の集中力が凄い。 やはり物事を成し遂げるには集中力が必要だということを、改めて思い知った。

小川糸『食堂かたつむり』読了。 全体にやわらかい雰囲気のある、でも描写は所々強い、不思議な作品。 柔らかな言葉の間に猥雑な言葉があり、そして死と生について。 不思議な読後感。感動した、というより、なんとなく暖かい感覚。

森見登美彦『新釈 走れメロス』読了。 原作を知っているのが走れメロスだったが、これは素直に楽しめた。 他の作品も、いかにも大学生らしいという感じ。 時間をかけて読んだせいか、読後感は今一つ。 それぞれの原作を読んでいればまた変わっていたのかもし…

森見登美彦『美女と竹林』読了。 非常に感想を書きづらい小説。というのも、話のほぼ全体が森見氏の妄想だからである。 むしろ何が事実で何が事実でないのかすら分からない。 内容の無い文章をいかに書き連ねるかという意味で、非常に勉強になった。 とはい…

森見登美彦『有頂天家族』読了。 狸の一家の物語。終盤の勧善懲悪的ドタバタ劇が痛快。 家族の絆、食物連鎖、老いと若さなど、考えされられた。 偽電気ブランや詭弁論部など、小ネタも健在。久しぶりに読み始めて、一息に読んでしまった。

森見登美彦『恋文の技術』読了。 ひたすらに文通の内容だけで物語が進んでいく話。「おっぱい事件」のくだりは最高。 文章の書き方というのは色々で、要点だけを書かず、だらだら自分の好きなことを書く、 というスタイルでも良いのだなと思った。かえってそ…

万城目学『鴨川ホルモー』読了。 京都を舞台にした、ホルモーという競技を中心とした大学生の青春の話。 京都にはこういう不思議な現象や日本の伝統的な雰囲気がすごく調和する。 1日で一気に読んでしまった。

森見登美彦『太陽の塔』読了。 モテなすぎて頭がおかしくなる、という光景や世界は実によくわかる。 ただし、一度恋人が居たことがあることがこの本では前提となっている。 不思議な雰囲気と冴えない学生と京都の雰囲気。

夏川草介『神様のカルテ』読了。 信州の雰囲気溢れる作品。医療モノとしてはそこまで賞賛されるような感じでもないような。 全体的にちょっと浅いような…。登場人物の描写もなんというか…。 主人公の奥さんはまさに男の願望的な感じが出ていて、ちょっと苦し…

森見登美彦『四畳半神話体系』読了。 確かにエンドレスエイトっぽい。並行世界の話。 「可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々を規定するのは、我々が持つ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である。」これは至言。 自分もまさにこの主人公の様…

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』読了。 かわいらしい。それでいて懐かしいような、雰囲気のある物語といった感じ。 このヒロインは、まさに男の理想というか、なかなか現代にはいないタイプであるが、こんな女性がいたら惚れてしまうな。 全体的に京都の雰…

谷川流『涼宮ハルヒの驚愕(前)(後)』読了。 大風呂敷を広げて心配だった前作から、うまくまとめたなあという印象。 いや、途中までは「ほんとにこれ綺麗に収束するのかな?」と不安でした。 伏線回収も見事でした。これでまだ次回は1から始められるんでしょ…

海羽超史郎『Steins;Gate 円環連鎖のウロボロス』読了。 1・2巻を通して一気に読んだ。伏線回収が素晴らしかった。 まゆりが何度も死ぬシーンはさすがにきつかったけど、また読みたい。 終盤の岡部は本当にかっこよかった。

喜多喜久『ラブ・ケミストリー』読了。 有機化学系ラボの学生・OBは必見。 随所に有機ネタが出てくるのがツボ。 読みやすく、ミステリー要素もちゃんと入っていて、面白かった。 大学院を今春修了する研究室の後輩に寄贈。

東野圭吾『プラチナデータ』読了。 ミステリー。DNAを使った捜査システムに関する話。 最後まで展開が読めず、一気に読んでしまった。 読後感が非常に良い。

東野圭吾『新参者』読了。 話数が多く、登場人物が多い割に、非常に読みやすかった。 各々の話のリンクも逸品。殺人事件だが、読後感は心地よかった。

武良布枝『ゲゲゲの女房』読了。 traditionalな日本女性の概念、考え方に久しぶりに触れた感じ。 読んでいて本当に心地よかった。

伊坂幸太郎『SOSの猿』読了。 久しぶりにハードカバーでそこそこの当たりを引いた感じ。 相変わらずの良い部分の伊坂スタンダードな感じ。 終盤は何となく意味の分からないところもあったけど、全体的には納得。

佐藤健太郎『医薬品クライシス』読了。 末端とはいえ、医薬に関わる者として面白かった。 2010年問題に突入し、新薬および製薬会社は今後どうなって行くのか…。

おおたわ史絵『続・女医の花道』読了。 ブックオフで購入。 かなり奔放な印象。整形に関する話は非常に良かった。

ひろゆき『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』読了。 ひろゆきの性格はともかく…。 市場とか経済とか、マクロな分野を語れる人って素直に凄い。 自分も少しはマクロな考え方が出来る人間になりたい。

東野圭吾『手紙』読了。 受刑者の兄の存在に苦しめられる弟の話。 ひたすら胸が苦しくなった。何を選択することが正解なのか、分からない。

東野圭吾『名探偵の掟』読了。 とにかく痛快。 短編集なので、電車の中で軽く楽しく読めた。

東野圭吾『パラドックス13』読了。 天変地異が起きた時に取り残された人達の話。 世界観は漫画のドラゴンヘッドに似てるかな。 途中、誠哉の性格というか強情さにはうんざり。 最後はオチで久しぶりに泣いた。

湊かなえ『告白』読了。 自分以外の人間の性格や考えは、自分では分かったつもりになっていても、 それは自分の想像でしかない、という当たり前の事を再確認。 最後のオチにやられた。

東野圭吾『むかし僕が死んだ家』読了。 終盤の急展開、そして展開の早さ。また伏線の回収が見事。

東野圭吾『名探偵の呪縛』読了。 非常にミステリー的なミステリー。 ありがちな話のような気がするが、まとまっていて非常に読みやすかった。 伊坂幸太郎の『オーデュボンの祈り』に少し似ていた気がする。

東野圭吾『幻夜』読了。 『白夜行』とは姉妹作品だろうか。 ストーリーは非常に良く似ていた。 女が恐ろしくなる。水原が気の毒。

東野圭吾『白夜行』読了。 ページ数に見合った、非常に深く重い内容。 主人公の女の残酷さが怖い。 昭和の風俗を知る事が出来るところも面白かった。